Workdayの調査によれば、AIで節約できた時間の約40%が、AI生成コンテンツの修正作業によって相殺されている。AIツールで10時間の効率化を達成できたとしても、約4時間がアウトプットの修正に消えていることになる。
「会議のメモのような単純なものならAIの要約は機能する。しかし複雑なポリシー文書やアナリストレポートになると、専門家が自分で書いた方が早かった、というケースが多い。AIがどこで本当に価値を生み、どこで手直しを増やしているかを、もっと細かく見極めることが重要だ」とiTech AGのエグゼクティブバイスプレジデント、Laura Stash氏は言う。
見えない生産性の損失をどう発見するか
Diceのプレジデント、Paul Farnsworth氏は、AIが価値を生んでいる場所とそうでない場所を評価するためにまず現場の声を聞くことを勧める。「特定のワークフローで手直しが繰り返されていないか、ハイパフォーマーが何かを作るより編集に多くの時間を使っていないかを確認してほしい。AIはアウトプットを速くするだけでなく、最終的には摩擦を減らすべきだ。逆になっているなら、使い方を見直す必要がある」。
Workdayによれば、リーダーが「表面上の効率」にフォーカスしすぎると、AIによる生産性損失は盲点になりやすい。AIが節約した時間の量を測る指標は、AIツールの「純粋な価値」を見失いがちだ。スピードは上がっていても、品質や成果が改善していない可能性がある。
最も意欲的な社員が、最も手直しの負担を強いられている
Workdayの調査では、AIを最も積極的に活用している社員ほど、手直し作業の負担を多く担っていることが判明した。日常的にAIを使う社員の77%が「AIの成果物を人間の成果物と同じかそれ以上の厳しさで検証している」と答えており、この追加作業は意欲の高い社員1人あたり年間1.5週間分の時間的損失につながっているという。
「優秀な社員がセーフティネットになりがちだ——ミスを捕まえ、問題を修正し、何も見落とさないようにする。時間が経つと、それはインパクトのある仕事ではなく、延々と続く後片付けに感じられてしまう。長続きしない」とFarnsworth氏は言う。Stash氏は「AIを低付加価値の反復作業に使うのは良い。しかし適切なトレーニングや検証なしに、専門性が高いタスクに同じアプローチを適用すると、解決より多くの問題を生む」と指摘する。
トレーニングへの投資が追いついていない
Workdayのレポートでは、リーダーの66%がAIスキルトレーニングをトップの投資優先事項として挙げているが、AIを日常的に使う社員のうちトレーニングへのアクセスが増えたと感じているのは37%にとどまる。AIで高品質な成果物を出すことへの期待と、実際のトレーニング機会には大きなギャップがある。
Farnsworth氏はAIへの期待とトレーニングの取り組みを一致させることが重要だと言う。「AIの使い方だけでなく、うまく使う方法を教えること。アウトプットの信頼性を確保するガードレールを設けること。そしてスピードが上がったことを成果と混同せず、継続的に影響を評価することだ」。
Workdayの調査では、AIを使いこなすのに苦労している社員の54%が、必要なスキルが更新されておらず、何から学べばいいかわからないと答えている。組織としての期待と、個人への支援が、まだ噛み合っていない。
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