11 modi per ridurre – subito – i costi dell’IT


I leader del settore tech hanno sempre avuto una responsabilità sul fronte economico-finanziario e, allo stesso tempo, anche su quello della soddisfazione delle richieste di tecnologia da parte dell’azienda. Ma, negli ultimi anni, con l’intensificarsi degli sforzi di trasformazione digitale, i CIO hanno avuto meno occasioni per fermarsi e rivalutare la situazione finanziaria dell’IT. “Alcune…

セブン銀行、アジャイル開発で新たな役割果たすATMを展開

セブン銀行、ATMを活用した新サービス進める

 全国で2万7000台のATMをセブンイレブンの店舗や空港、商業施設、観光地などで展開するセブン銀行がATMの概念を超えた新しいサービス「+Connect(プラスコネクト)」を始めている。
 消費者のライフスタイルや企業の在り方が大きく変わっている中でセブン銀行は、提携している640の金融機関の業務効率化と利用者との接点強化を図っていく一方で、自治体の業務を代替できるような仕組みをATMで実現していく。
 9月26日からは金融機関向けにキャッシュカードを使って出金する利用者に対してATM画面上で、届け出情報の変更有無を確認したり、商品・サービスを紹介したりする「ATMお知らせ」と「口座開設の申し込み」や「住所・電話番号等の変更受付」を行う「ATM窓口」を正式に開始。24年春からは高精度カメラによる顔認証機能を活用したキャッシュカード・スマホ不要の入出金取引を開始する。
 セブン銀行はスマホアプリで入出金ができる「スマホATM」サービスを提供しているが、アプリ操作に不慣れな利用者もおり、「顔認証で入出金できるサービス」は金融機関にとっても利用者にとっても新しい選択枝になる。災害時にキャッシュカード、通帳、印鑑を持って避難できなくても口座からの引き出しが可能となることから、利用者はもとより金融機関にとってはBCP(業務継続計画)対応としても活用できるというメリットがある。
 24年度以降は「口座振替登録」「マイナンバー届出」「口座解約」などの機能を追加することが検討されている。
 こうしたサービスを可能にしたのが第4世代の新型ATM「ATM⁺」だ。セブン銀行は2019年9月から新型ATMへの置き換えを進めているが、2023年9月からはこれを活用した新しいサービスを展開している。
 新型ATMは2画面一体型で、大型ディスプレイによって、見やすく使いやすいインターフェースとなっているほか、セキュリティー機能や金融犯罪対策も強化。高機能カメラによる顔認証機能やICリーダーやスキャナー機能を使い、さまざまな本人確認ができる。
 セブン銀行常務執行役員の深澤孝治氏は次のように語る。
「最新技術を導入してセキュリティー対策や金融犯罪対策を強化しており、より安心してお使いいただけます。また消費電力やCO2排出量の削減により環境負荷軽減にも取り組みました。さらにAIやIOTを活用した故障予兆保守に取り組み、これまで以上に『止まらないATM』を実現しました」

第4世代は金融サービス以外の付加価値で勝負

 新型ATMの最大の特徴は従来のアプリケーションに加え、新サービス、新デバイスを追加しやすい拡張性ある構造となっていることだ。これは新しい時代を見据えた取り組みだった。
 第1世代から第3世代までの進化は現金の入出金をメインにした金融系サービスを進化させるという直線上の進化。「スピードをアップする」「故障を削減する」「消費電力を減らす」といった既存機能を磨き上げていくような進化だった。コンセプトも一貫しており、方向性も伝わりやすかったという。
 しかし第4世代は違う。第3世代までの開発で一定の限界が見えてきていた。例えば新しいATMを開発するたびに力を入れてきた紙幣の処理スピードもすでに限界に達し、第3世代を上回る技術は世界中を見渡してもない。
 ATMは一世代あたりの使用期間が長いため、数年先の未来を見据えた設計が必要となる。
「ATMを地域のプラットフォームに進化させ、その役割を変えていこう」(深澤氏)という発想で進められたのが新型ATMだ。
 しかしいきなり新しい発想が生まれたわけではない。
 当時のセブン銀行もキャッシュレス化が普及することまでは予測していた。しかしいったいどこまでキャッシュレス化が進んでいくのか、ガラケーからスマホへの移行が進む中で、どのような取引形態が主流を占めるのか、不確定要素があまりにも多く、社内では「このタイミングで大規模投資をして新しいATM開発をしてもいいのだろうか」という声まで上がっていた。
 新型ATMのコンセプトワークがスタートしたのは2015年からだ。第4世代のコンセプトの検討はこれまで以上に時間を要した。
 セブン銀行のATMの開発にかかわるATMソリューション部は総勢50人(センターシステム開発40人、ATM端末の開発10人)。どのような人たちがどのような時間帯で使っているのかをメインのベンダーであるNECとともに動向調査し、AIなどの先端技術の研究会まで行った。このときの研究会には関連部署や有志メンバーを募り、経営幹部から一担当者が集まって機能やデザインの検討が進められた。
「ATMというのは、24時間稼働していればいいというものではない。現金の補充や機器のメンテナンスといったオペレーションも発生する。設備環境やセキュリティー面などさまざまな要素が整って初めて運営できる。システム部門だけで開発してもうまくはいかない。関係している人間が上から下まで一堂に会して情報共有することで、スピード感ある開発をすることができる」(深澤氏)
 そのような中で出てきたコンセプトがコンビニ端末にとっての普遍的な価値である「タイム・コンビニエンス(=利用者の時間と手間を省く)」の提供を追求しながらも、キャッシュレスを含めた世の中の激しい変化に対応したサービスを提供していける存在を目指すというもの。そこで新型ATMの名称は「ATM⁺」となった。
 新型ATMの開発がスタートしたのが2017年のことだ。設置がスタートする2019年までの2年間はこれまでのATMの開発では行われないような試みも数多く行われた。セブン銀行とNECが合同チームを作り、新型ATMをデザインするためのワークグループを結成したのもそのひとつだ。通常はクライアントと開発陣営による混成チームをつくって活動することは、あまり例がないことだという。
 それでもセブン銀行は自社だけで検討するのではなく、セブン銀行の事業をよく知るNECを事業パートナーとして一緒にやっていくことでゴールが見えてくると考えた。結果として開発スピードを上げることができた。こうした協力ができたのは20年以上の付き合いがあったからだ。

セブン銀行ATM

セブン銀行

アジャイル的手法で「非連続的開発」を実現

 開発手法にも検討が加えられた。ATMを新規導入する場合に銀行は一般的にカタログ品を購入するが、セブン銀行はNECにオーダーメードで発注し、NECとともに、要件定義から設計、開発、テストへと上流から下流へ水が滝のように流れるウォーターフォールとうい開発手法でプロジェクトを進めた。
「ソフト開発のNECとパートナーシップをとり開発を進めている。当社はより上流工程に注力し新しい付加価値創造に努めている」(深澤氏)
 しかしウォーターフォールだけでは世の中の激しい変化に対応した「非連続的な」開発を進めていくことは難しい。
 ウォーターフォールは大型の安定したシステムを開発するには適しているが、顧客側の仕様変更が簡単にできないというディメリットがある。
 そこでセブン銀行は、センターシステムの開発など基幹システムの開発ではこれまでのウォーターフォールを使いながらも、必要に応じてアジャイルという開発手法を導入し、ハイブリッドで開発を進めることにした。アジャイルとは「イテレーション(反復)」と呼ばれる短い開発サイクルを繰り返しながら進めていく開発手法で、顧客のニーズや技術進化などに臨機応変に対応できる開発手法だ。
「センターシステムをはじめ銀行のシステムすべてをアジャイルに変更するのはまだ難しいので、変更が柔軟にできる、すべき箇所をアジャイルに変えていき、最初はスマホアプリ、これを徐々にオープンAPIやATMのUI(User Interface)やUX(User Experience)などに拡大していきたいと思っています」(深澤氏)
 こうした開発手法は利用者との直接的な接点となる新型ATMの端末の外観、デザインにも大きな影響を与えている。
 新型ATM機の開発ではそれまでモックアップ(実物大模型)を製作して店舗に持ち込み、サイズ感や見え方などをチェックしていた。しかしこのやり方だと問題があった場合には再び持ち帰って作り直すという作業をしなければならず、手間がかかった。
 そこで今回はVR(バーチャルリアリティー)を活用して仮想のATMを設置、チェックしたという。VRならその場で修正が利く。まさにアジャイル的なモノ作りだ。開発スピードを加速させた。
 新型ATMのデザインでは女性の力も活用した。これまでのATMはごつごつとしたいかにも機械というイメージだった。NECも当初案ではそうしたコンセプトを提案してきた。しかし機械的なごつごつとしたフォルムは女性には不評。そこで女性チームを結成。ATMのデザインを抜本的に見直し、曲線をうまく使いながらスリム化を徹底した。コクーン(繭)をコンセプトとした包み込むような形状を採用し、セキュリティーを強化するため外からのぞき込めないようなプライバシー性を強化。「個室感」のある空間づくりに配慮した。
「個室感を確保するためにはかなり苦労しました。中には斬新すぎてボツになるようなアイデアもかなりありました」(深澤氏)
 ユニバーサルデザインにもこだわり、車いすの人でも違和感なく使えるよう機器の位置を調整、ドリンクホルダーや杖置き、荷物掛けなども整備した。
 さらに大きな問題に直面した。きっかけは一通の手紙だった。手紙を出したのは視覚障がい者。障害を抱えながらも自分のお金を自分で直接引き出したいと訴えてきた。
「私たちが視覚障がい者用に音声サービスを提供する上で、利用者の方が安心して使えるサービス作りに努力しました。例えば、健常者ではなかなか理解できない音声の間など、音声の言葉と言葉の間があまり長くなってしまうと視覚障がい者は少し不安になってしまうという意見を頂き、いろいろとブラッシュアップしながら機能を完成しました。リリース後には視覚障がい者の方からも喜んでいただきました」(深澤氏)
 UIやUXを重視するセブン銀行は、一般人によるモニター評価にかなりの時間を割いている。2017年から2年間の開発期間の間にも開発中の新型ATMを3回にわけて延べ100人近い人たちに評価してもらった。

AI導入で広がる新型ATMの可能性

 新型ATMの大きな目玉のひとつとなっているのが2024年からスタートする本人確認システムだ。
 簡単に仕組みを説明すると、顔認証機能付きカメラで撮影した利用者の画像と、ICリーダーやスキャナーで読み取った本人確認資料(運転免許証、マイナンバーカード、在留期限カード等)を、精度の高い認証エンジンで照会、犯罪収益移転防止法で定められた厳格な本人確認業務を24時間365日行えるという仕組みになっている。手続きが完了すれば入出金は顔認証のみ(厳密には別途もう一段階認証用のコードの入力が必要)で行える。
 こうした仕組みを支えているのが新型ATMで初めて導入されたAI技術だ。利用されているのは「NEC the WISE」。NECが誇る最先端のAI技術だ。中でも「Neo Face」として製品化された顔認証技術は世界トップクラスの実力。2009年から2022年の間に開催された米NIST(National Institute of Standards and Technology、米国国立標準技術研究所)のコンテストなどで7回、No. 1を獲得。顔認証の精度と高速度アルゴリズムには高い評価がある。現在では成田空港の顔認証システムでも活用されている。
 新型ATMは顔認証以外にもNECの最新技術が数多く搭載されている。「⁺(plus)エリア」と呼ばれる操作エリア(手元にある小さなモニター)もその一つだ。
 例えば本人確認する際には、「⁺(plus)エリア」で免許証やマイナンバーカードを読み取って口座開設や住所変更時に必要な本人確認を行う。
 AIの導入は顔認証だけでなくさまざまな可能性が生まれている。
ATMの稼働率、99.8%を実現した現金需要やATMの故障の予測にAIを活用。金融犯罪行為を自動検知するとともに、コールセンターでモニタリングを行うことで徹底的な防犯対策をとっている。
 システム開発に詳しいAIコンサルタントでConvergence Lab.の代表取締役CEOの木村優志氏は次のように分析する。
「今回の新型ATMは顔認証によるキャッシュカードレスというのが最大のポイントだと思います。少子高齢化の中でカードも必要なくお金の出し入れができれば、ユーザー体験は大きく変わり、特に高齢者には大きなメリットがあると思います」
 果たしてセブン銀行の新型ATMはどのような発展を遂げるのか、その成り行きを注目したい。

Financial Services Industry
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Source: News

Certinia uses AI to accelerate finance functions for service companies

Certinia, a developer of software for service businesses, is using AI and automation to extend the capabilities of its tools for report-building or planning and analysis beyond the financial sphere and into operations, too. The company offers a suite of enterprise SaaS applications for services companies, including ERP, professional services automation, customer success, and configure-price-quote…

サプライチェーン管理においてAIがすでに得意としていること

サプライチェーンは、製品設計から始まり、調達、製造、流通、デリバリー、そして顧客サービスと一連の業務をこなしています。CiscoのAI/MLデータ製品を担当するデヴァラット・バパト氏は、「そのすべてのポイントが、AIと機械学習にとって大きなチャンスとなります」と述べています。なぜなら、現世代のAIは、サプライチェーン管理に必要な2つの点ですでに優れた能力を発揮しているからです。1つ目は予測です。AIを利用して、下流の需要や上流の不足を予測しています。さらに、アルゴリズムは故障の前兆と認識する1つ以上の事象を検出し、製品品質に影響を与える前に組み立てラインのオペレーターに警告できます。

2つ目は点検です。AIは製造過程の問題発見に使用されています。また材料やコンポーネントを認証し、サプライチェーン全体でトラッキングもできます。

最終的には、AIはサプライチェーンを最適化し、あらゆる状況における顧客の特定ニーズを満たすことができるようになります。それを可能にするテクノロジーは存在しますが、現在のサプライチェーンにはないレベルでのデータ共有が必要だという課題が残っています。その一方、多くの企業は優れた予測と点検がもたらす恩恵にあずかっています。

予測

世界最大のパッケージング会社であるAmcorの例を取ってみましょう。同社は売上高150億ドル、従業員数4万1,000人、世界各地に200以上の工場を擁しています。市場のほとんどは食品とヘルスケア製品のパッケージングです。

「当社は今ご自宅の冷蔵庫に入っているパッケージングのおよそ3分の1を製造しています」同社のグローバルCIOであるジョエル・ランチン氏は述べています。Amcorが製造面で直面している課題のいくつかは、正確な予測と需要の変化への対応に関係しています。食品のサプライチェーンでは、ニーズの変化に応じて注文が頻繁に修正されます。暑い季節にはゲータレードがよく飲まれ、需要が急激に増加し、ボトルの需要が10%から15%急増します。他の製品でも同様です。海の魚が急に増えたら、それに必要なパッケージングの需要が増加します。「常に予測を試みていますが非常に難しいのです。必ずしも顧客のニーズを前もって把握できるわけではないからです」と氏は述べています。  

サプライチェーンの対岸でも似たような課題があります。Amcorが不足分を予測できないとしたら、事前に原材料を仕入れることはできません。さらに重要なのは、価格変動を予測する必要があるということです。価格が急上昇する前に低価格で購入できるし、価格が低下する兆しが見えれば購入を控えることができます。

一年ほど前、AmcorはEazyMLを試験的に使用し始めました。顧客の需要と供給側の両方の予測を最適化するプラットフォームです。ERPからの3年分のデータを使ってツールをトレーニングし、変動パターンを捜しました。システムは変化のカテゴリーや、イベントと変化タイプの相互関係を見つけようとしました。例えば、季節的変動について、また複数タイプの変動が同時に起こるか、それらが相互排他的であるかなどをチェックします。

「初期の結果は期待していたものよりはるかに有望でした。変動を予測できれば、必要な原材料の予測もでき、必要な場合は事前に補足できます」とランチン氏は言います。

AIが大きく改善したのは予測領域だと述べるバパト氏にとってこれは驚くことではありません。「これまで多くの企業は、様々な専門家からの情報に重み付けをして平均予測を出すコンセンサス予測に頼っていました。統計的手法を使って過去のデータから推定する統計的予測の方が、コンセンサス予測法より一貫して優れていることが研究で明らかになっています。また、機械知能は、統計的予測よりもさらに優れています。しかし、必ず正確なデータを使用することが重要です」

検査

AIがどのように活用されているかのもう一つの例は、Intelです。リソグラフィを使って複数のチップを1枚のウェーハ上にプリントしています。ウェーハの中心に最も近いチップは電力プロファイルが最も優れている傾向があり、外周に近いチップは、信頼性は高いものの、性能が低下する傾向があります。Intelには、品質基準値があり、それに照らして測定してチップを保存するか破棄するかを判断します。人がウェーハを検査すると時間がかかり、トラブルが多くなります。

IntelのSVP兼CTOであるグレッグ・ラベンダー氏は、次のようにと述べています。「当社はAIを使って適切な高品質のチップを選択しており、そのおかげでチップの製造時間や高品質のチップを市場に出す時間が短縮できるのです。もちろんそれだけにAIを利用しているのではありません。当社には数百人のAIエンジニアがいます。彼らが取り組んだものの一部を当社の製造工場で検査・試験に使用しますが、時には、彼らは誰にも知られることなく、当社の製品内で提供されるAIを開発することもあります」

その一例として、Intelがマルウェアをテストするソフトウェアツールを提供してOEM顧客をサポートしていることが挙げられます。そのツールの1つがIntelラップトップで使用されているスレット・ディテクション・テクノロジーです。Windowsでコードが実行された際、IntelのコードはCPU内の命令ストリームを試験し、適合学習シグネチャアルゴリズムを使って、マルウェアのシグネチャと一致するコードの異常をで探します。一致するものが見つかると、マルウェアを遮断またはブロックし、デバイスが感染したことをWindows Defenderに警告します。

「当社のクライアントのCPUすべてに、スレット・ディテクション・テクノロジーが搭載されます。このような感染はサプライチェーンから忍び込んできます。最終製品が完成する頃には、このツールを使ってしか見つけられないのです。ここ数年はこのツールやAIツールを提供していますが、大規模言語モデルの需要が高まる中、このようなツールが話題に上るようになってきています」とラベンダー氏は語っています。

Ciscoのバパト氏によると、検査はサプライチェーン管理の大きな部分を占めており、製品設計の段階で正しいステップが取られれば検査はかなり容易になると言います。氏は、「製品設計の段階で流れを監視できるデータを生成する器具類を装置に埋め込むことができれば、コストがかなり削減できます。どの製品の部品表を見ても、人件費がかなり負担になっていることがわかります。ここでの負担とは、基本的に製品品質と監督者にかかる間接費なのです。AIは、もうすでにコスト削減に役立っています」と述べています。

最適化

予測と検査は両方とも重要ですが、サプライチェーンが顧客の特定ニーズに合わせられるようになった時に最大の影響をもたらします。バパト氏は、自身が最高のAIアルゴリズムの1つを設計した際に重要な教訓を得たことから話しています。その開発と展開には9か月かかり、それを実際に使用できるまでにはさらに大変な時間がかかったのです。氏は何が問題だったのかを考えてみました。テクノロジーがどんなに優れていても、まず最終顧客が誰であるか、また彼らがアプリケーションをどのように使用する予定であるかを理解しなければ、望ましい結果を達成できないということに気づいたのです。また上級管理職は概して発言力は大きいですが、最終顧客ではないことも指摘しました。

「それ以降は、セールスであってもサプライチェーン管理であっても、まず基本となるビジネスをきちんと理解することから始めました。要件をしっかり理解したあとに、データとAIに眼を向けたのです」と氏は述べています。

バパト氏は、この理念をサプライチェーン管理に適用すべきだと考えています。「最終顧客について慎重に検討することで、AIは消費者と彼らの環境をセグメント化し、それを対象とすることでサポートできます。そこからサプライチェーンに再度目を向け、人件費や製造費、税金、在庫などの様々なコストを検証し、共に最適化していくのです」

サプライチェーンの流れが最適化されれば、次に予測のクオリティとメンテナンスの採用および実行を開始できると氏はさらに述べています。そこから、供給管理のための調達へと再度目を向けることができます。

「これは、サプライヤーは敵ではなくパートナーであるという概念を支持しているのです」

サプライチェーンはその本質上、様々な企業で構成されており、データを共有すべきでないという長年の課題がここにあります。その理由は少なくとも3つあります。1つ目は、サプライヤーが提携企業と競合する事業部門を持っている可能性があること。2つ目は、サプライヤーが競合するサプライチェーンに入っている可能性があること。3つ目は、サプライヤーは交渉の場において有利になるために他と情報を共有しないということです。

現世代のAIはサプライチェーンを最適化でき、正確な製品を適切な価格で適切な顧客に供給するよう調整することもできます。しかし、それを実現するには、現状ではほとんどの企業が及び腰になっているほどのレベルでのデータ共有が必要になります。

「いま必要なのは、企業がデータの一部を提供しすぎていないとしっかり確信したうえで、共有できる技術なのです。その実現にはまだ5年か10年はかかるでしょう」とバパト氏は述べています。

Artificial Intelligence, Supply Chain
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