企業が採用している需要の高いクラウドの14の職種

パンデミックを乗り越えるためにクラウドの導入が著しく増加した後、企業はクラウドインフラストラクチャのセキュリティ、メンテナンス、管理といった新たな課題に直面しています。これに対処するため、企業は予算をクラウドへと回しています。CIO.comの親会社であるFoundryの「2023 Cloud Computing Study」によると、IT意思決定者の3人に2人が2024年にクラウドの予算を増やす予定であり、約3分の1(31%)がIT予算の31%をクラウドコンピューティングに充てると報告しています。 こうした予算の増加には、企業のクラウドネットワークの維持や継続的な改善、拡張をサポートするクラウドおよびクラウドに関連する従業員に対する需要の増加が含まれます。Foundryのレポートによると、78%の企業が組織によるクラウド投資に応じて、新しい職種を追加したと回答しています。 Foundryの調査による、企業がクラウド投資をサポートするために追加する可能性が最も高い職種を以下でご紹介します。 1.クラウドアーキテクト クラウドコンピューティングがますます複雑化するなか、クラウドアーキテクトはクラウド環境の実装、移行、維持を管理する重要な役割を担うようになりました。これらのITプロフェッショナルは、クラウドセキュリティにまつわる潜在的なリスクを回避し、会社全体のクラウドへのスムーズな移行を実現するサポートもできます。IT部門の意思決定者の65%が、技術をアップグレードする際にクラウドベースのサービスを選択することが既定路線となっており、クラウドアーキテクトの重要性は企業の成功にとってますます高まるでしょう。 スキル:この職務のスキルには、アプリケーションアーキテクチャ、自動化、ITSM、ガバナンス、セキュリティ、リーダーシップの知識が含まれます。 職務の伸長度:Foundryの調査によると、クラウド投資の一環としてクラウドアーキテクトの職務を追加した企業は30%にのぼります。 2.クラウドシステム管理者 クラウドシステム管理者は、クラウドインフラストラクチャの全般的なメンテナンスと管理を監督する役割を担っています。クラウドベースのポリシーの実装、パッチやアップデートの展開、ネットワークパフォーマンスの分析など、これらのITプロフェッショナルは仮想化環境の管理に長けています。 スキル:この職務に必要な知識とスキルには、実装と統合、セキュリティ、構成、およびAzure、AWS、GCP、Exchange、Office 365などの一般的なクラウドソフトウェアツールの知識が含まれます。 職務の伸長度:27%の企業が、クラウド投資の一環としてクラウドシステム管理者の職種を追加しています。 3.DevOpsエンジニア DevOpsは、ITシステムを改善し、コーディングチームとエンジニアリングチーム間のコミュニケーションの流れを維持するための仲介役として機能するために、IT運用と開発プロセスを融合させることに重点を置いています。自動化されたアプリケーションの展開、ITおよびクラウドインフラストラクチャのメンテナンス、新しいソフトウェアやシステムの潜在的なリスクとメリットの特定に重点を置く役割を担っています。 スキル:DevOpsエンジニアに関連するスキルには、自動化、Linux、QAテスト、セキュリティ、コンテナ化、JavaやRubyなどのプログラミング言語の知識などがあります。 職務の伸長度:21%の企業が、クラウド投資の一環としてDevOpsエンジニアの職務を追加しています。 4.クラウドシステムエンジニア クラウドへの移行には、クラウド環境を最大限に活用するための新たなインフラストラクチャの導入が伴います。クラウドシステムエンジニアは、企業のクラウドイニシアチブをサポートするために必要なインフラストラクチャの設計、実装、保守を担当します。 スキル:クラウドシステムエンジニアに関連するスキルには、ネットワーキング、自動化とスクリプト、Python、PowerShell、自動化、セキュリティとコンプライアンス、コンテナ化、データベース管理、災害復旧、パフォーマンスの最適化などがあります。 職務の伸長度:20%の企業が、クラウド投資の一環としてクラウドシステムエンジニアの職種を追加しています。 5.クラウドソフトウェアエンジニア クラウドソフトウェアエンジニアは、クラウドプラットフォーム上で動作するソフトウェアアプリケーションの開発やメンテナンスを行い、これらのアプリケーションがスケーラブルで信頼性が高く、アジャイルに動作するよう徹底するのが仕事です。クラウドに移行した企業は、クラウド環境を最大限に活用するために、企業独自のサービスやアプリケーションを構築できるITプロフェッショナルを必要としている場合が多いです。IT意思決定者の半数以上が、自社のIT環境全体がクラウドに移行していると回答し、今後1年半の間に63%まで増加すると予想されているなか、クラウドソフトウェアエンジニアは組織において急速に重要な役割を担うようになってきています。 スキル:クラウドソフトウェアエンジニアに関連するスキルには、Python、Java、C#、JavaScript、マイクロサービス アーキテクチャ、サーバーレス コンピューティング、APIとSKD、DevOps、サイバーセキュリティ、アジャイル手法の知識などがあります。 職務の伸長度:19%の企業が、クラウド投資の一環としてクラウドソフトウェアエンジニアの職務を追加しています。 6.セキュリティアーキテクト セキュリティアーキテクトは、ITインフラストラクチャの安全性を維持するために、企業におけるセキュリティソリューションの構築、設計、実装を担当します。クラウド環境で働くセキュリティアーキテクトにとって、ビジネスのクラウドベースのインフラストラクチャ、データ、アプリケーションを保護するセキュリティソリューションの設計と実装が焦点となります。クラウド投資を促進するビジネス目的の第1位は「障害復旧と事業継続の実現」(40%)であり、セキュリティアーキテクトは、企業がこれらの目標を達成するために適切な対策を講じることをサポートすることができます。 スキル:クラウド環境で働くセキュリティアーキテクトに関連するスキルには、セキュリティアーキテクチャの設計、ネットワークセキュリティ、セキュリティのコンプライアンスとガバナンス、インシデント対応とフォレンジック、データ暗号化、IDとアクセスの管理(IAM)、自動化、DevSecOpsなどがあります。 職務の伸長度:18%の企業が、クラウド投資の一環としてセキュリティアーキテクトの職務を追加しています。 7.データアーキテクト データアーキテクトは、組織のデータが容易にアクセスでき、安全で、効率的に保存され、ビジネスニーズを満たすように構造化されているようにすることに重点を置いています。データは企業が分析を行い、ビジネスの意思決定を支援するための主要な手段となっており、そのデータのほとんどは現在クラウドに保存されています。 スキル:クラウド環境で働くデータアーキテクトには、データウェアハウス、スケーラビリティとパフォーマンスの最適化、自動化と仮想化、データガバナンスとクラウドセキュリティ、データ移行、ハイブリッド クラウド ソリューションの知識などのスキルが必要になります。 職務の伸長度:18%の企業が、クラウド投資の一環としてデータアーキテクトの職種を追加しています。 8.セキュリティエンジニア セキュリティエンジニアの仕事は、組織のシステム、ネットワーク、データのセキュリティを監督し、サイバーセキュリティの脅威から確実に保護することです。クラウドに投資する企業にとって、セキュリティエンジニアは、クラウドプラットフォーム上で実行されるサービス、アプリケーション、データが安全であり、あらゆる政府規制を遵守していることを確実にするのに一役買うことができます。 スキル:クラウド環境で働くセキュリティエンジニアに関連するスキルには、ネットワークセキュリティ、IDとアクセスの管理(IAM)、暗号化、脆弱性の管理、セキュリティアーキテクチャ、クラウドセキュリティ、自動化、インフラストラクチャの設計と最適化などがあります。 職務の伸長度:16%の企業が、クラウド投資の一環としてセキュリティエンジニアの職種を追加しています。   9.クラウドコンサルタント クラウドの急速な普及と移行に伴い、企業はクラウドのテクノロジーを活用してビジネスニーズを満たし、ビジネスを成長させ、効率を向上させる方法を指導できる専門家を求めています。これらのプロフェッショナルはクラウドの専門家であり、クラウド技術の最新イノベーションを常に把握し、ビジネスリーダーに最適なアドバイスを提供します。クラウドコンサルタントの重要性は、回答者の50%が挙げた「持続可能な収益の増加」を達成するためにクラウドを導入する企業にとってますます高まっています。 スキル:クラウドコンサルタントに関連するスキルとしては、アーキテクチャおよびソリューションの設計、DevOps、自動化、プロジェクト管理、クラウドセキュリティ、コンプライアンス、クラウドへの移行、一般的なクラウドプラットフォームに関する知識などがあります。 職務の伸長度:16%の企業が、クラウド投資の一環としてクラウドコンサルタントの職種を追加しています。 10.クラウド開発者 クラウド開発者は、クラウド環境でソフトウェアの開発と展開を行うための重要な役割を担っています。これらのITプロフェッショナルは、クラウドプラットフォーム上で動作するように設計されたアプリケーションの設計、作成、展開を担当し、ビジネスニーズを満たすための拡張性、信頼性、コスト効率の高いソリューションの構築に重点を置いています。 スキル:クラウド開発者に関連するスキルとしては、Java、C#、Pythonなどのプログラミング言語や、一般的なクラウドプラットフォーム、マイクロサービス アーキテクチャ、データベースストレージ、アジャイル手法、APIとSKD、コンテナとオーケストレーションに関する知識が挙げられます。 職務の伸長度:16%の企業が、クラウド投資の一環としてクラウド開発者の職種を追加しています。 11.クラウドネットワークエンジニア クラウドネットワークエンジニアは、組織のクラウドベースのネットワークの設計、実装、管理を担当します。これらのITプロフェッショナルは、ネットワーク管理、仮想化、仮想LAN、広域ネットワーク(WAN)、TCP/IP、HTTP、ネットワークセキュリティ、ハイブリッドクラウドやマルチクラウドの展開の統合を監督する任務を負っています。…

Payment-processing outages at UK retailers raise reliability issues for cashless transactions

Payment-processing failures at several high-profile retail brands in the UK over the past week disrupted on-site customer service and stirred speculation about the cause of the outages. The problems at fast food restaurant McDonalds, supermarkets Tesco and Sainsbury’s, and bakery chain Greggs, highlight retailers’ increasing reliance on third-party payment systems and the technical issues hampering…

Governance and Fighting the Curse of Complexity

The task is Sisyphean. The mountain is IT complexity. The boulder is made from complex infrastructure, network connections, data stores, and devices. The person pushing the boulder up the steep slope? Every IT and security leader and worker. Will we ever rein in IT complexity? Unfortunately, not. But we can try. There are two routes…

Generative AI takes center stage in latest ServiceNow release

ServiceNow’s latest platform release, dubbed Washington DC, moves the cloud-based IT management and operations software company sharply in the direction of generative AI, with new features designed to help companies working with that technology. The Washington DC platform applies generative AI technology to several of ServiceNow’s flagship solutions. Its ITOM AIOps platform can now use…

How CIOs navigate generative AI in the enterprise

In its infancy, gen AI is already transforming organizations and profoundly impacting IT strategies. But while language models (LLMs) accelerate engineering agility, they also open the floodgates to unprecedented technical debt accumulation. “Generative systems are likely to accelerate the amount of code that gets produced, so on that basis alone, technical debt will increase,” says…

VMware by Broadcom: The First 100 Days

We recently passed the 100-day mark since VMware joined Broadcom. While much work remains, we’ve made substantial progress as we build the world’s leading infrastructure technology company. In the 18-month process of evaluating and acquiring VMware, we looked at everything to identify what’s needed to create more value for our customers. We’ve acted decisively to…

情報の価値を再発見

スマートフォンの先駆者でGeneral Magicの創立者兼CEOであるマーク・ポラット氏は、スタンフォード大学在学中の1976年に執筆した卒論で、未来は情報機械や情報労働者、情報企業によって定義されると正確に予言しました。

今日、私たちは「情報社会」に生き、「情報経済」の中で働いているというのが一般的な認識です。驚くべきことに、現代人が持つ情報量の多さにもかかわらず、例えば1日に35億件の検索が行われているているにもかかわらず、情報を使って価値を創造するための具体的な戦略の特定に窮しているのです。

情報管理について真剣に取り組む時がきています。情報技術ではなく、情報管理にです。技術=進歩ではありません。情報から価値を生み出すことこそが進歩なのです。

エグゼクティブブリーフィングや年間レポートは、「注目の新技術にこれだけの予算を費やしている」という類似事実であふれています。サブスクリプションリサーチ会社によって数字は異なりますが、世界はいま情報技術に多額の支出をしており、いわば4兆6000億ドル支出しています。分析会社のDeep Analysisは、インテリジェントドキュメント処理の400以上のベンダー市場のみでも2026年末までには40億ドルに成長する可能性があると推測しています。

しかし、情報発信が事実上無料のグーテンベルク後(ソーシャルメディア)経済時代に入った今、情報を発信する機械やシステムにかかるコストに目を向けることをやめ、代わりに情報から価値(および意味)を生み出す経済に目を向けるべきではないでしょうか。主要な意思決定者が必要な情報を得るためにどれだけのコストをかけているかを実際に把握している人はいるのでしょうか。

情報戦略を構築する時機到来

2、3年おきに、粗雑な情報管理によっていかに容易に価値が損なわれるかを思い知らされます。最近の例では、21歳の「サイバートランスポートシステムのジャーニーマン」、ジャック・テイシェイラの事件です。彼はケープコッド共同基地内のオーティス空軍州兵基地に本部を置く102情報航空団に配属されていましました。テイシェラは、国防機密情報を意図的に保持・送信し、機密国家情報をビデオゲーム仲間と共有したとして起訴されました

この事件は、政府の機密情報管理プロセスの正当性全体に疑問を投じました。これは政府だけで起きていることではありません。

企業部門においては、情報管理の不備によって破壊された価値は、罰金や訴訟の和解金の支払額で計測されることがよくあります。このような大惨事が明るみに出る前に、上場企業はしっかりと情報管理をしているかどうかを判断するためにどのような指標を使っているでしょうか。また使うべきでしょうか。P&Gとユニリーバ、コカ・コーラとペプシ、GMとフォード、マクドナルドとチポトレ、マリオットとヒルトン、どちらの企業がより効率的に情報管理をしているのでしょうか。就職希望者を面談する際に、その候補者が情報管理のスキルを持ち、責任ある行動を取ることができる人かどうかをどのように確認すればよいのでしょうか。

経営史の専門家によると、世紀の変わり目の10年ほど前、それまで普遍的に「良いもの」と思われていた「情報」が、問題視され始めるようになりました。パソコンの発明からおよそ20年後、一般の人たちは日々生成される情報量に圧倒されるようになりました。私たちは情報によって栄え、情報に依存していますが、情報に雁字搦めにされることもあります。1人の人間が処理できる以上の情報があふれかえっています。

情報ナラティブはとても前向きなものから、情報を「止められない蒸気ローラー」や「川、しかもとても汚染された川」として描く暗い比喩や例えへと変わってしまいました。

フューチャリストの資金集めパーティで出会った仲間で、現在ニューヨーク大学の副学長を努めているニューメディア教授のクレイ・シャーキー氏は、「これは情報過多ではなく、フィルタリングの失敗だ」と名言を残しました。これは情報戦略に疑問を投じるものです。あなたは利用できる情報リソースから価値を創造する戦略を個人的にお持ちでしょうか。貴社はどうでしょうか。

情報を利用して価値を創造

私たちは皆、情報科学者です。私たちは i.schoolの学位は持っているわけでも、情報管理にフォーカスを当てたAssociation for Intelligent Information ManagementARMAなどの業界団体や職能団体のメンバーであるわけではありませんが、私たち一人一人が情報を生成し、整理し、管理し、保管し、検索し、使用しているのです。

経済界の中には、情報戦略についてじっくり考えている人もいます。1994年4月12日、アリゾナの弁護士であるローレンス・キャンターとマーサ・シーゲル夫妻は、6000以上のUsenetニュースグループに迷惑メールを送り、史上初の大量スパム行為に乗り出しました。彼らは10万ドル以上の収益を生み出しながら、ほとんど全く経費が掛からない情報戦略を使っていたのです。私はこの情報戦略を容認しているのではありません。情報から価値を生み出したければ、それには戦略が必要だということを認めているだけです。

情報戦略では、いくつかの根本的な課題に対処しなければなりません。例えば、不必要な情報によって限られた注意力が圧倒されるのをどのように防ぐか、いかにして個人情報や機密情報が公になるのをどのように防ぐか、などといったことです。

効果的な情報管理戦略の構築から得られるものは多大なのです。

Data Management, IT Strategy


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